大人の予防接種
予防接種は「子どもだけ」のものではありません。予防接種を受けることで、病気の予防につながることはもちろん、たとえ病気にかかっても軽症ですみます。「寝込んでなんかいられない」「家族を守りたい」そんな大人の皆様にこそ、受けていただきたい予防接種があります。
冬になると毎年流行する、代表的な感染症です。インフルエンザウイルスによって発症し、潜伏期間は1日から1週間。主な症状としては、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、咳、鼻水などがあります。風邪の症状に似ていますが、突然高熱が出るなど、全身症状が強いのが特徴です。肺炎や気管支炎を併発しやすく、またいったん流行が始まると、短期間に膨大な数の人に感染してゆくことも、インフルエンザの怖さです。最も確実な予防は、インフルエンザが流行する前に、予防接種を受けること。たとえインフルエンザにかかっても軽症ですみますので、早めの予防接種をおすすめします。
- 予防接種は、体調の良い日に実施することが原則です。下記の症状がある場合は、医師と十分に相談して、予防接種を受けるかどうか判断して下さい。
- 発熱がある。
- 非常に重い急性疾患にかかっている。
- 接種を行うインフルエンザワクチンによって、アナフィラキシー(全身性のアレルギー反応)を起こしたことがある。または卵などでアナフィラキシーショックを起こしたことがある。
- その他、健康状態が良好でない。
肺炎球菌は、決して珍しい菌ではありません。健康な人の鼻やのどにも存在する菌なのですが、抵抗力が弱まると、肺炎や髄膜炎、敗血症、中耳炎、副鼻腔炎などを引き起こします。日本人の死因の4番目が肺炎といわれていますが、そのうちの25%~40%を肺炎球菌による肺炎が占めるといわれています。特に高齢者の肺炎は重篤化しやすく、65歳を境に死亡率が増加。慢性疾患を抱えている方、体が弱っている方ほどリスクが高くなります。
肺炎球菌ワクチンには、大人むけの「23価肺炎球菌ワクチン」と、子どもむけの「7価肺炎球菌ワクチン」があります。
肺炎球菌には90種類以上の型があり、そのうちの23種類の型に対して免疫をつけることができることから、「23価肺炎球菌ワクチン」という名前で呼ばれています。この23種類の型で成人の肺炎球菌による感染症の80%以上をカバーすることができ、肺炎の罹患や重症化を予防することができます。
また一度接種すれば、約5年は効力が持続するといわれています。
肺炎球菌による感染症は通常、ペニシリンなどの抗生物質により治療していきますが、近年は抗生物質が効かない薬剤耐性菌も増えてきました。そこで、ワクチンを接種することにより、病気をあらかじめ予防することが重要になってきています。
23価肺炎球菌の予防接種は、現在法的には義務付けられてはおらず、任意の予防接種となっています。希望される方にのみ、ワクチン接種を行います。
ご希望の方はかかりつけ医にご相談ください。
また、接種費用は医療機関によって異なる場合があります。